
AS伝説

メルカバMk5(1/72)
このページは月刊誌「ホビージャパン」1988年1月号から約3年間連載されたオリジナル模型企画「未来兵器AS」「AS
WARS」の不完全記録です。
原案・構成 佐藤忠博
デザイン・モデル製作 小林誠
撮影/スタジオR
「1997年11月30日、局地的な戦闘ながら全世界を巻き込んだ『11年戦争』が終結した。
2大国の意図的な誤射によって始まったこの戦争はそれにあやつられる小国の間で7年に渡って続けられた。そして、この戦いは核の全面禁止
といったルール付の2大国のウォーゲームでもあったのだった。
終結によって50年間の非武装化と言った極端な方針を取らざるを得なかった戦争当事国だったが、秘密裏に兵器開発を進めていたことが、ごく
最近になってわかった。」
「ホビージャパン」1988年1月号より
「2048年2月26日、それまで形(なり)を潜めていた『11年戦争』の当事国である『バランギ』が非武装を解いて、その軍事力を誇示しはじめた。
近隣諸国では早くからこのことに気が付いていたが、想像を上回るその性能や異形に驚嘆の声を上げるばかりであった。
そして彼らの乗る兵器を総じて「AS(Advanced-shape)」と呼ぶのであった。」
「ホビージャパン」1988年2月号より
(このページの図版は注意書きのある物以外は蘭亭紅男作製です)
「FUTURE TANKS 近未来の地上の主役たち」 1987年12月号
「AS」序章、的内容の巻頭特集。未来戦車(小林誠氏製作)、陸上自衛隊90式戦車、韓国XK-1(88式)戦車といった作例で構成。次号より展開
される小林誠氏のオリジナルメカ世界、「AS」的世界観が既にここで打ち立てられている。
登場メカ
メルカバMk5、グランドマスター、C-eyes、義頭兵士
備考
いずれも近未来の中東戦争でイスラエル陸軍が使用するという想定での戦闘車両。それぞれレーザー砲装備の主力戦車、ミサイル戦車、無人対空戦車である。
「未来兵器AS」「ホビージャパン」1988年1月号連載開始
第1回 「地平線の彼方へ」 1988年1月号
物語
2047年12月4日、スギオ・ヤマグチ大尉ら3名は偵察機「Fukker」で偵察中、全幅2qを超す巨大飛行兵器に遭遇
する。「AS」の一種だ。巨大なエイのようなASは彼らをあざ笑うように偵察機を楽々と振り切り、地平線の彼方へ消え
た。翌2048年1月10日、ガザール国家最高会議はASへの徹底的対策を議論したが、ASの進撃は既にガザールの
隣国タイグーンに向けて始まっていたのだ。
登場メカ
AS-1 Heray(A型)、ガザール軍RF-114 FukkerG重装備偵察機
備考
記念すべき第1回目は空の脅威から始まる。B2ステルスボマーやらコトブキヤのガレージキット「バウンドドッグ」や
らのパーツで本体を作った超巨大機と偵察機。小林誠氏の制作するモデルは既に模型誌各誌で多く登場していたが、
ここに至って「ハイパーウェポン」(モデルアート社)以来の非人型メカによる個性的表現が大爆発。以後、3年に渡る
戦いの幕がここに切って落とされる。この第1回ではまだバランギ、ガザールといった国名は登場していないが、以後
の展開でスギオ・ヤマグチらがガザールの所属、「AS」側がバランギ、ということがわかってくる。後の連載でバラン
ギが主人公側になっているのを考えると1回目がガザールの視点で描かれているのは少し意外である。
「Fukker」は1989年4月号のガザール側兵器一覧では「烈風(バランギ名 ユーモ17高速高度戦闘機)」という名称
になっている。連載当初は各国の設定など恐らく深く考えられてはおらず、結果、後に名称不統一等様々な混乱を引
き起こしたため、89年の段階で名称を他の兵器と矛盾しないよう設定し直したのだろうか。
第2回 「夜明けの侵入」 1988年2月号
登場メカ
CPH-64 Cheeparジェットヘリ(車両運搬用)、APC(装甲兵員輸送車)
第3回 「悲しき義頭」 1988年3月号
上よりチーパー攻撃ヘリ、ミサイル戦車「グランドマスター」、APC
物語
前線に二人の義頭兵士が配備された。彼らは前の戦いで頭を吹き飛ばされて戦死した兵士で、メカニカルなサイバーヘッドを取り付けられて
死して再び最前線に回されたのだ。こうしてサイボーグ化されるのはほとんどが犯罪者の前歴を持つ者たちで、常に特攻部隊で最も危険な目に
遭わされて来た者たちだ。もはや人間としての意識を失った筈の彼らが敵弾によって朽ちた後に何故か見せる生きた人間のような仕草。彼らは
何のために戦っているのか…
登場メカ
バランギ軍義頭兵士(サイバーヘッド1型)
備考
この回の小林誠氏の製作記事によれば「いやー頭飛ばされちゃってさ、義頭つけてんだよねー」という世界観こそ「AS」のコンセプトだそうだ。
すばらしい。ちなみに「ホビージャパン」のこの号の巻頭特集は「未来警察」。ここで小林氏は韮沢靖氏と共に「ウルトラ警備隊のダミーヘッドも
作っている小林クリニック」の先生として義頭警官を作っている。「AS」の世界を一発で説明しきるイメージがここで大登場する。
第4回 「天敵再び…」 1988年4月号
物語
一時的に前線を下げたバランギ軍は敵ガザール共和国の新兵器、4輪走行の大型サイボーグ兵を発見。
……元バランギ帝国の一都市だったガザール。11年戦争とそれ以前の内戦を経て独立したこの地は更に以前はタイグーンの領土
であった。11年戦争によって領土を広げたガザールは今や科学力と軍事力においてバランギと同等の力を持っていた……
テスト走行を終えてガザール側に帰還するサイボーグ兵。バランギの隊長はこの感情のない兵器と今後の戦いで出会うことに嫌
悪を感じざるを得なかった。
登場メカ
ガザール軍サイボーグ兵「ランゼロックス」
備考
ミニ四駆を下半身に、エイリアンクイーンのソフビキットを胴体に使用した大型サイボーグ兵登場。機械なのに服らしきものを着て
いたり、イラストではタバコをふかしていたり、中々人間的な奴である。『ドラゴンズヘヴン』でもシャイアンやエルメダインが服を着
たりマントを羽織ったりしているが、こういう「機械の擬人化」は小林世界の得意技と言える。他に写真一枚だけだが、コトブキヤ製
ネオジオのパーツを使用したバランギの装甲車両らしきものが登場している。それにしても今回語られる「前史」部分はかなりやや
こしく、「11年戦争の更に40年前の世界的規模の戦争」というのは第2次大戦のことかと思われる。
この回よりファンコーナー「AS TALK」が始まる。
第5回 「オペレーション・ドラゴン(T)」 1988年5月号
物語
2048年5月6日、バランギ帝国軍はザカールへの侵攻作戦「オペレーション・ドラゴン」を開始、国境近くのミケーレへ攻撃を開始した。サイバー
ヘッド隊に続いて戦車大隊が市街地へ突入し、ミケーレは30分で占領された。5月7日、敵重兵器「スラグル・トーチカ」への攻撃が開始される。
登場メカ
義頭兵用装甲車「CFV」、義頭回収用重戦車「BASSHORN」
第6回 「オペレーション・ドラゴン(U)」 1988年6月号
物語
5月7日、ミケーレを落とした重戦車隊は「スラグル・トーチカ」への攻撃を開始するが、山の如く動かぬスラグル・トーチカはそれをものともせず、
先鋒の義頭部隊が次々と撃破された。前線部隊が入手した情報にはスラグル・トーチカは人間の脳を組み込んだ巨大サイボーグ兵器、とあった。
その背中に装備された完成途上の都市攻撃用レールガンがバランギに撃ち込まれる前に作戦を練り直し、再度攻撃の必要があった。バランギ軍
は半数近い車両と兵を失い、一時撤退した。
登場メカ
ガザール軍移動要塞「スラグル・トーチカ」
備考
1/25センチュリオンとイベント「夢工場」用ラジコンカーのボディを使用して超巨大戦車「スラグル・トーチカ」(増量処理済脳味噌3体分入り)が
形成された。これを佐藤編集長は高円寺の小林工房で新聞紙にくるみ(前後むき出し)、JRで代々木まで運搬したという。余計なお世話だが、
せめて段ボールに入れたらどうか……
第7回 「湖のほとりに…」 1988年7月号
物語
ザカールとタイグーン、2国同盟軍はオペレーション・ドラゴンの失敗に乗じてバリサル湖湿原へ侵入した。新型サイボーグ兵はバランギの五つ
のトーチカをあっという間に撃破し、バランギ軍首脳は恐慌に陥った。バリサル湖をめぐる攻防は激化の兆しを見せ、2048年7月5日、オペレー
ション・ドラゴンの第2回攻撃が開始された。
登場メカ
ザカール軍サイボーグ兵「バグラーマグラ(ランゼロックスV)」、イントレランス戦闘中型空母
備考
この頃から原案・構成が「佐藤忠博」ではなく「プロジェクトAS」になっている。敵国名が「ザカール」だったり「ガザール」だったり不統一。
第8回 「重装甲兵士」 1988年8月号
物語
ザカールの量産型ランゼロックスに苦戦したバランギ軍は実験段階の強化外骨格をサリーニに装備させて投入。敵大型ランゼロックスを撃破
した。
登場メカ
バランギ軍強化外骨格
備考
制作本文を見るとガンダムジオラマと「迷宮都市」のコミック、結婚式が重なった、となっている。ガンダムジオラマというのはホビージャパン
別冊「逆襲のシャア」に掲載された量産型サザビー(1/35)であろう。このジオラマの制作現場写真入りメイキングのページを見ると韮沢氏と
共にジオラマ作りに励む合間に小林氏自身の結婚式をやったりしている。その上単行本「ART
of 迷宮都市」のコミック書き足しがあり、小林氏
も人気絶頂の頃である。
第9回 「華麗なる亡命」 1988年9月号
物語
2048年9月1日、ザカール、タイグーン国境のウルカラム平原での戦車中隊の演習中、ザカールの大型戦闘ヘリが亡命してきた。亡命女戦士
リュウのもたらした情報によればザカールはスラグル・トーチカを完成、明朝総攻撃を行なうとのことだった。バランギ軍は急遽第7,8,9空挺隊を
大型ヘリと共に出撃させることを決定。リュウと共に大型ヘリで出発するトカームとサリーニ。
登場メカ
ザカール軍巨大戦闘ヘリ「XA-442サイロン(ザカール名「天呼」)」、メルカバMk5(1/72)、グランドマスターMk2(1/72)
備考
87年12月号の未来戦車を1/72でリメイク。初登場の女戦士リュウはトカーム、サリーニと共に終盤まで主役の一人として活躍する。

XA-442サイロン、メルカバMK5
第10回 「スラグル・トーチカ攻撃…」 1988年10月号
物語
サリー二らは亡命女戦士リュウと共にスラグル・トーチカ攻撃のため、再びミケーレに向かった。新兵器、無人戦闘バイク(機動戦車)の実戦テスト
を兼ねたスラグル・トーチカ攻撃が始まった。
登場メカ
ボクサー機動戦車(サイバーヘッド2型)

左より義頭兵士(サイバーヘッド1型)、バランギ軍兵士、リュウ
第11回 「バランギの巨人」 1988年11月号
物語
2056年、バランギとザカールの戦争は泥沼化していた。同年8月、大型人型兵器を試作したバランギは二ヵ月後に量産型を戦車部隊に配備し始めた。
2057年1月にはザカールも同種の人型兵器を配備。能力はバランギのものに劣るものの、数で圧倒していた。画期的な新兵器の量産、実戦配備によって
戦局は新たな様相を見せ始めた。
登場メカ
ブロックバスター(サイバーヘッド3型)大型義頭兵士(俗称「ASシャイアン)」、日立入道(ザカール大型義頭兵士、バランギ名「機動戦車ブラス」)
備考
「AS」初の巨大人型兵器登場。この回からイキナリ年数が8年も飛んでいる。スラグル・トーチカはどうなったの?トカーム、サリーニ、リュウは8年経っても
まだ現役の兵士なの?…何かと謎の8年である。「ASシャイアン」開発にそのぐらいの時間はかかるだろう、ということなのか、な?

ブロックバスター大型義頭兵士
第12回 「独立部隊」
物語
2057年10月、トカーム、サリーニ、リュウらはニ・クスタを隊長とする独立部隊を編成、軍用シャトル「タイコンデロガ」で本隊に先行
してキト・クラーム高地のアルハムラ基地を攻撃することを命じられる。「人間は宇宙人の残した生物兵器だ」、という昔学校で聞いた
話をリュウはトカームに話して聞かせる。
登場メカ
タイコンデロガ
備考
「ハイパーウェポン2 地球戦線」に登場した「タイコンデロタ」が久々に登場する。
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